実験用電源の製作2022年01月16日 13:05

真空管のセットをテストするための電源器を製作しました。もちろん、整流は真空管を使っています。出力電圧が200Vから250V程度で、電流は最大50mA程度取れる電源にします。また、ヒーター用にAC6.3V 2A程度を備えます。

整流管は、出力電圧と電流から、6X4にしました。ダイオードの整流した場合は、ダイオードの後にローパスフィルターを付ければ完成ですが、真空管では、そう単純ではありません。

まず、電源器の回路方式には、コンデンサー・インプットとチョーク・インプットがあります。

同じ電源トランスの電圧でコンデンサー・インプット型の方が、チョーク・インプット型より高い電圧を取り出せますが、 出力電流が大きく変動した場合の出力電圧の変動が大きくなります。6X4の場合、コンデンサー・インプット型の場合の出力電流と 電圧の関係はこのようになります。

たとえば、プレートに250Vをかけた場合、出力電流が20mAから40mAに変動した場合、出力電圧は、約300Vから約260Vまで下がってしまいます。これに対して、チョーク・インプット型では、約240Vから約220V程度の変動です。

今回は、チョーク・インプット型を採用します。ここで注意しなければいけないのは、出力電流が少ない範囲では、 出力電圧の変動が大きな点です。ですので、ブリーダー抵抗をつけて、変動が少なくなる電流値まで電流を流す必要があります。 6X4の場合ですと10mA程度流すと丁度良いようです。今回は、22KΩにしました。そして、全体の回路は、このようになりました。

トランスとチョークコイルは、サトー電気で調達しました。

完成した電源器は、こんな感じです。

内部はこちら。