TRN-8にAT互換機用FDDをつなぐ2019年03月17日 11:30

パッチボード

私のCP/MマシンTRN-8にはNECのディスケットドライブ FD-1137Cが使われている。 組込用のディスケットドライブは生産が終了して長い時間が過ぎてしまい、 入手が難しくなってきている。FD-1137Cも例外でない。ヤフオク!でも見かけなくなった。

そこで、AT互換機用のドライブが使えないかと検討・実験してみた。結論から先に言うと、 機種によっては使える。手持ちの、ドライブで動作の確認が取れた。

  • ミツミ D353M3D
  • シチズン Z1DA-03A
  • テアック FD-235HG

いずれも、いわゆる3モード対応の機種である。

FD-1137CとAT互換機用ドライブの主要な項目を比較してみる。

項目FD-1137C
概説書より
3モードAT互換機ドライブ
D353M3D
カタログより
記憶容量(未フォーマット時)(MB) 1/0.53 1/1.6/2
データ転送速度(Kbit/sec) 500/250 250/500/500
回転数(rpm) 360(固定) 300/360/300
使用トラック数 160 160/154/160

TRN-8では、8インチドライブに合わせて154トラック(77トラックx2面)を使用している。 これを考慮すると、3モードドライブの回転数を360rpmにすれば対応できそうであることが分かった。

次はドライブのインターフェースを比較してみる。奇数番のピンは全てGNDである。

ピン# FD-1137C
概説書より
3モードドライブ
D353M3Dカタログより
2DENSITYMODE SELECT
4HEAD LOAD(NC)
6DRIVE SELECT 3(NC)
8INDEXINDEX
10DRIVE SELECT 0(NC)
12DRIVE SELECT 1DRIVE SELECT
14DRIVE SELECT 2(NC)
16MOTER ONMOTOR ON
18DIRECTIONDIRECTION
20STEPSTEP
22WRITE DATAWRITE DATA
24WRITE GATEWRITE GATE
26TRACK 00TRACK 00
28WRITE PROTECTWRITE PROTECT
30READ DATAREAD DATA
32SIDE SELECTSIDE SELECT
34READYDISK CHANGE

"DRIVE SELECT"と"MOTOR ON"、"READY"、"DISK CHANGE"のシグナルに違いがあることが分かる。 "DISK CHANGE"に付いては、"DISK CHANGE/READY"と記載している資料もある。

ケーブルのコネクターの配置を比較してみる。ご存じのように AT互換機のディスケットドライブケーブルは、一台目のドライブコネクターと 二台目のドライブのそれの間に、ケーブルがひねりがある。ケーブルを右手にドライブ接続コネクタ、 左手にドライブインターフェース接続コネクタを 置くと、最も右端のクネクタに接続したドライブは第一ドライブに、中程のコネクタに接続したモノは 第二ドライブになる。

ピン# TRN-8
ディスケットインターフェースケーブル
AT互換機ディスケット
ドライブインターフェース
ケーブル
2NCMODE SELECT
4HEAD LOADNC
6DRIVE SELECT 3NC
8INDEXINDEX
10DRIVE SELECT 0 (*1)MOTOR ON A (*A)
12DRIVE SELECT 1 (*2)DRIVE SELECT B (*B)
14DRIVE SELECT 2DRIVE SELECT A (*C)
16MOTOR ON (*3)MOTOR ON B (*A)
18DIRECTIONDIRECTION
20STEPSTEP
22WRITE DATAWRITE DATA
24WRITE GATEWRITE GATE
26TRACK 0TRACK00
28WRITE PROTECTWRITE PROTECT
30READ DATAREAD DATA
32SIDE SELECTSIDE SELECT
34READYDISK CHANGE/READY

(*1)のシグナルを(*C)に、(*2)のシグナルを(*B)に、(*3)のシグナルを(*A)につなぎ込めば良さそうである。 また、ドライブの回転数を360rpmにするために"MODE SELECT"をGNDに落とす。PIN 4,6,14はオープンで良さそうだ。 その他は、対応するピン同士を接続する。

この方針でパッチボードを作りテストしたところ、ドライブを認識しない。 コールドブートの途中でハングアップしてしまう。ドライブのアクセス時に止まってしまう。 2日間悩んだ。配線の確認や作り直しをしても状況は変わらない。

34番ピンの取り扱い以外に疑問を挟む余地がないと考え、 ダメ元で、34番ピンをGNDに落としてみた。結果、ドライブを2台ともキチンと認識できた。 ディスケットのフォーマットもファイルのコピーも問題なくできる。また、D353M3Dで作成したディスケットを FD-1137Cで読み込むことができた。

これを踏まえて、パッチボードの回路図は下記のようになった。

パッチボード回路図

パッチボード(部品面) 制作したパッチボード(部品面)

パッチボード(半田面) 制作したパッチボード(半田面)

ただしこの接続には、READYのシグナルが無条件にREADYになってしまう。 現状、トラブルは起きていない。TRN-8に限定してだけ、この接続でよいこととする。

諸先輩の皆様がしているように、ディスケットからSDカードやCFカード等に移行することを考えることにしよう。

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