TRIO JR-60 通信機型受信機の修理 -- その22020年05月30日 08:10

製作したクリスタルオシレーター(下)と購入した周波数カウンター(上)

修理を続行するにあたり、道具のお膳立てすることにしました。一つ目は、IFTの調整用に クリスタルオシレーターを製作しました。手持ちの部品で作成したため不格好です。トラッキングを 取るのに手持ちのテストオシレーターでは役不足なので局発周波数を直接測定するための 周波数カウンターを購入しました。IF周波数でオフセットを計算できる物です。

交換用のパーツが届く間に、JR-60の情報を調べたところ NoobowSystems Lab.のJR-60のレストア記事に、興味深い記述がありました。

まず、IFTには2つの同調点があることです。

二つ目は、コンバーター管6BE6の変換ノイズが大きいことです。

交換用パーツが届き交換しました。先の2つの点を確認してみます。

IFTの同調点を確認してみました。IFTの上のコアを一番上の位置に下のコアを一番下の位置に 移動した上でチューニングすると、上のコアには確かに2つの同調点がありました。いずれの同調点でも 出力は同じぐらいになります。コアが抜けている位置が正しいと当たりをつけ調整を進めました。もちろん、 自作のクリスタルオシレーターを使ってです。調整の結果、以前よりも大きな検波出力を得られるようになり、 また、同調点で起きていた歪みもなくなりました。おそらくですが、IFTのチューニングがズレていたので、 充分なAVC電圧が発生せずIF増幅段のゲインを殺せなかったのでしょう。IF増幅段の6BA6のカソード抵抗を 元に戻してみましたが歪みは感じられませんでした。次いで、周波数カウンタで局発周波数を測定しながら トラッキング調整を行いました。Eバンド(10.5Mhz~30Mhz)はトラッキング調整を追い込めませんでした。 ピストントリマを調整するのですが、容量を増す方向に調整していくと発信が停止してしまうのです。 いろいろ試したのですが、解決できませんでした。

二つ目の変換ノイズですが、確かにアンテナ端子をグランドに落としても耳障りなノイズは消えません。 受信感度が悪く感じられます。実際の放送を受信するとノイズが中に放送が飛び出しているように 聞こえます。ノイズ対策は将来の課題としました。

調整を一通り終わらせましたが、課題も残りました。

  1. 変換ノイズが多く、受信感度が悪く感じる。
  2. Qマルチがうまく働かない。
  3. Eバンドのトラッキングが追い込めない。
これらは、もう少し使い込んでから対応しようと考えています。

こちらは、取り外したパーツです。

当初の製作から約50年が経過していることを考えると、少なく感じます。

このJR-60は、短波放送を試聴するには 充分な性能を維持していますが、ハムバンドを聞くにはやはり困難が伴います。高一中二の限界を感じました。

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