TRN-8にAm9511を ― 2018年12月11日 12:06

Am9511とは、AMD社が開発し販売していたFloating Point Processor(FPP)である。 これをeBayで手ごろな価格で入手できた。入手理由は、TRN-8に搭載するためである。 しかしながら、越えなければならない山がいくつもある。
- クロック周波数。TRN-8のクロックは6.122MHzで、入手できたのはAm9511A-1DCで 3MHz。単純にTRN-8のクロックを分周して作成すればよいのだろうか。
- I/Oアクセスタイミングの違い。当然Am9511のI/Oは遅い。 WAITを挿入してタイミングを調整する仕組みが必要である。
- 電源の問題。Am9511は12Vが必要である。これは昇圧型のDC-DCコンバーターで 生成することになる。秋月で販売しているICを中心に組み立てるか、 AmazonやAli Expressで販売されている出来合いの物を組み込むか。悩ましい。
- TRN-8の追加改造。クロックとWAITを引き出す必要がある。
- ソフトウェアの問題。固定小数点・浮動小数点を取り扱う準備をする必要がある。 これはAMDのマニュアルを参照して作成するが、結構な量のコードを書くことになる。
- ライブラリー。Turbo Pascalなどからリンクするためのライブラリーが必要になる。
結構やることがある。ソフトウェアに関してはやり直しが簡単にできるが、 ハードウエアは簡単にできないから十分な検討が必要である。
当分楽しめそうだ。
Oberonを動かす ― 2018年12月23日 18:54
Oberonとは、Pascalの生みの親であるNiklaus Wirth教授らのチームが開発した プログラミング言語であり、それで書き下されたオペレーティングシステムである。現在のバージョンはObject指向の拡張がなされ、A2と呼ばれている。Nativeに動作するバージョンや、WindowsのゲストOSとして動作するバージョンなどがある。
OSとして特筆すべき事は、キャラクタベースのウィンドウシステムが提供されていることであろう。 説明文の中にアプリケーションのコマンドとパラメーターが埋め込まれていて、 それをクリックすることでアプリケーションを実行する。
冒頭のスクリーンショットは、WindowsでA2を動かし、 Notepadの画面にコマンド"FSTools.Directory ~"を書き込み実行させ、 その結果がKernel.logに書き込まれた所である。
実は、NativeのA2では日本語106キーボードが使えない。106キーボードのレイアウトを示す ファイルがないのである(不思議なことに中国語はあるのだが。)。そこで、初めてのOberonプログラムの題材として、 レイアウトファイルを作成するプログラムを作った。A2プロジェクトのメーリングリストに参考となるプログラムを 教えてもらい完成することができた。これでキーボードで困ることがなくなった。実際のプログラムは GenerateKeyboardLayoutJP.Mod である。すでにプロジェクトチームにも送ってあり、そのうちcontributeに追加していただけそうである。
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