TRIO 9R-59D受信機を再生する -- その3 不具合対応2021年11月26日 18:33

参考までに、ブロック図と回路図を再掲します。

前回までに、いくつか不具合を見付けました。

  1. AF GAINを反時計方向に絞り切っても放送の音声が聞こえる。
  2. 音声にハムが混じる。
  3. ヘッドフォンをつないで電源を入れると、すぐさまハムが聞こえ出す。
  4. 前に続いて、真空管が温まって動作し始めると、別のハムが聞こえ出す。
  5. あまり音質がよろしくないので、V7bとV8にNFBをかけたい。
  6. トラブルではないが、OSC V3の半分が余っているので、OSCのバッファーを追加したい。

これらです。順序が変わりますが、簡単なところから解決していきます。

まずは、AF GAINの不具合から。反時計方向に回し切って、グランドと摺動子の間の抵抗値を測ると、なんと1KΩ近くありました。即刻、交換。AF GAINを反時計方向に回し切ると、音声は聞こえなくなりました。しかし、ハム音は聞こえます。

次は、V7b 1/2 6AQ8とV8 6AQ5にNFBをかけることに。回路はこのように変更します。

まず、V7 6AQ8回りの基板の加工をします。R31 1KΩのグランド側のパターンを切って、R31をグランドから浮かします。C33 30uFを取り外してR31の上に2階建てにしました。こんな感じです。

基板の裏でR31とグランドの間に、220Ωをはんだ付けします。こんな感じです。

OPTの8Ω出力と220Ωの間に2KΩを取り付けます。空いていた立ラグに取り付けて配線しました。

で、動作確認。見事に、「ぼ~~~」と発振しました。正帰還になっていますので、OPTの一次側の配線を入れ替えて、再度、確認。今度は正常に音声が聞こえました。聞いた感じでは、「少しは、よくなったかな」程度の改善でした。ここは、気分の問題ですね。

使っていないV3b 1/2 6AQ8を使って、OSCのバッファーを追加しました。回路はJR-60を参考にして、このようにしました。

配線は、V3 6AQ8のソケット回りがごちゃごちゃしてしまいましたが、何とか完成。

効果は、ミクサー V2 6BE6の第一グリットに注入されるOSC電圧が下記のようになりました。

BAND 改造前(Vp-p) 改造後(Vp-p)
A 0.48 0.64
B 0.34 0.48
C 0.16 0.22
D 0.07 0.12
となり、多少の感度アップに貢献できたようです。

音声に混じるハムは、低い音と、それより高めの低い音があります。

低い音は、電源スイッチを入れたとたんに聞こえだすことから、電源トランスが作る磁界をOPTが拾ってしまうようです。その証拠に、V8 6AQ5を引き抜いても聞こえます。

高めのハム音は、B電源のリップルに起因するものです。これは、V7b 1/2 6AQ8とV8 6AQ5のB電源に、トランジスタを使ったリップルフィルターを入れました。

このように組み立てました。トランジスタはケミコンの陰に隠れて見えません。

効果は絶大です。高めのハムは殆ど聞こえなくなりました。当然、低いハムは、相変わらず聞こえます。この対策は、OPTを電源トランスから離すか、電磁シールドで覆うかしかないようです。対応策をじっくり考えてから、改造をします。

宿題が残りましたが、ここまでで一区切りとします。もうじき、発注しておいたマーカー用の水晶、3500KHzと500KHzが届きますので、マーカー発信回路の確認などを先にしようと思います。

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